JEXER FITNESS CLUB

「生活習慣病予防のための週23エクササイズ」

肥満を背景としたメタボリック症候群は、脳卒中や心臓病など深刻な生活習慣病に結びつくことが注目され、ライフスタイルからの予防がより一層求められるようになりました。これらの疾病を予防するためには食習慣とともに運動習慣への基準となる指針が求められますが、今回は『健康づくりのための運動基準2006』とする最新の科学的知見に基づいた厚生労働省の運動指針をQ&Aで紹介したいと思います。

Q: どのような運動が生活習慣病を予防するのですか?
A: まず、日常の身体活動には、スポーツやレジャーによる「運動」と「生活活動」に伴う歩行や動作などがあります。それらをすべて合せたものを身体活動として評価します。そして様々な生活習慣病の発症リスクの低下には、日常活動が歩行中心の人では歩行20分を一つの単位(1エクササイズと呼称します)とすると、一週間で23エクササイズ以上が必要ということが専門家により示されました。

Q: 1エクササイズとはどういうことですか。
A: 糖尿病などの食事療法の指導でたとえると、ご飯で茶碗約半膳分を基準に一単位とし、他の食品も単位別にわかりやすく一日の合計を何単位と定めて患者さんに指導しています。これと同じように、身体活動量の比較として歩行を基準としているわけです。ちなみに歩行一時間(3エクササイズ)は約一万歩に相当し、これまでも糖尿病予防には一日一万歩以上を目指しましょうということを耳にしたこともあると思います。

Q: 歩行以外の運動にはどのようなものがあるのですか?
A: 歩行20分をもとに他の身体活動での1エクササイズの相当量を比較すると、(図1)
【生活活動】
低強度 歩行:20分
中等度以上 自転車:15分、子どもと遊ぶ15分、階段昇降:10分、重い荷物を運ぶ:7,8分
【運動】
低強度 軽い筋肉トレーニング:20分、バレーボール:20分
中等度以上 速歩:15分、ゴルフ:15分、軽いジョギング:10分、エアロビクス:10分、ランニング:7,8分、水泳:7,8分
が挙げられ、例えば週5日通勤の中で20分徒歩往復する人で、1エクササイズ×2(往復)×5日で10エクササイズ、さらに週末2日で子どもと遊んだり、速歩などで1時間ずつ活動したりすると1エクササイズ×4×2で8エクササイズ、残りの5エクササイズを趣味の運動や仕事場の階段昇降や家事などで補えば、一週間23エクササイズを達成できます。

図1
図1

Q: すべての運動を歩行で行ってもいいのですか。
A: もちろん歩行も効果的な活動ですが、できれば速歩などでより強い運動の強さとなる中等度以上の活発な運動を4エクササイズ以上組み合わせると効果的とも例示しています。

Q: ウエストを細くするのにも役立ちますか。
A: この指針の中で、ウエスト1cmの減少は約1kgの内臓脂肪の減少に相当し、これをエネルギーに換算すると約7000キロカロリーで通常成人の3,4日分の食事摂取量になります。食事制限を併用するにしても、運動で内臓脂肪を確実に減らすためには、週10エクササイズ以上の運動量を必要と推奨しています。具体的には、30分間の速歩を週5日続けることが目標となります。

この運動指針は中高年を中心とした一般の成人男女を対象としたものですが、すでに生活習慣病を併発している方にも、その改善を図るために応用できるものです。厚生労働省のホームページ http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/undou.html に詳しく公開され、これから運動習慣に対してどのくらい意識を持っているか、個人の体力にも合わせたアドバイスをしています。特に最近話題となっている内臓脂肪蓄積による肥満・高血圧・脂質異常・糖尿病などの集積によるメタボリック症候群の該当者や予備群の方にもお勧めしたい自己管理できる運動法ですので、是非ご覧になって試してみてください

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